みなさんこんにちは。突然ですが私は自衛官が大好きです。兄が自衛官だったのでその影響もありますがあの姿勢を正した姿、そして一糸乱れず行動する姿がとてもカッコ良いですよね。シワのない制服姿も精悍で素敵です。
でも自衛官って高校生など若い子が入隊したり、防衛大学行かないとなれないイメージ。いくら興味があって自衛官になりたいと思っても、30歳でも応募できるの?とか今の仕事辞めないといけないよね?などハードルが高そう。
まめいぬ
では「予備自衛官」と一般の「常備自衛官」で何が違うのか?本記事では「予備自衛官制度」について概要から応募方法までを記載していきます。フリーランスや会社勤めの人でも自衛官の一員になれるのです。
予備自衛官の概要
予備自衛官は駐屯地で暮らして日々鍛錬に励んでいる常備の自衛官ではなく、有事の際にのみ召集される「臨時の自衛官(非常勤特別国家公務員)」です。臨時なので予備自衛官に採用されても所定日数の訓練以外で駐屯地に入ることはなく、生活は今まで通りです。
また予備自衛官には「予備自衛官補」「予備自衛官」「即応予備自衛官」の3つの種類があります。
予備自衛官補 – 採用対象者
- 自衛官未経験者で予備自衛官補試験(一般または技能)に合格した者
予備自衛官 – 採用対象者
- 予備自衛官補の教育訓練を修了した者
- 元自衛官で1年以上勤務していた者
即応予備自衛官 – 採用対象者
- 元自衛官で1年以上勤務していた予備自衛官
- 元自衛官で1年以上勤務していた&退職して1年未満の者
- 所定の教育および訓練を行い、基本特技を取得した一般公募の予備自衛官
予備自衛官補は陸上のみ?
一般公募の予備自衛官補は50日/3年の教育訓練を修了するとみんな陸上予備自衛官として任用されます。一般公募では海上・航空には任用されません。
一般公募の予備自衛官は即応予備自衛官にはなれない?
これまで即応予備自衛官は元自衛官の人=「1年以上勤務した経歴がある元自衛官の予備自衛官」または「1年以上勤務した経歴がある元自衛官で退職1年未満の人」しかなれませんでした。
しかし最近、自衛官経験のない一般公募予備自衛官のうち即応予備自衛官への任用を志願する者に対して所定の教育・訓練を行ない基本特技を取得した者を即応予備自衛官に任用するという制度ができました。
このため一般公募の予備自衛官も即応予備自衛官になれる道が開けました。
予備自衛官と即応予備自衛官で何が違うの?
予備自衛官と即応予備自衛官での違いはおおまかに訓練日数と手当て、召集時の役割に違いがあります。
予備自衛官は有事の際に召集されると第一線部隊が出動した際の駐屯地の警備や、通訳・補給などの後方支援の任務等につきますが、即応予備自衛官は第一線で活動するいわば即戦力で常備の自衛官と同じ仕事をします。
ですので日頃の訓練内容も手当てについても予備自衛官と即応予備自衛官では異なるのです。
予備自衛官と即応予備自衛官の訓練について
まず予備自衛官と即応予備自衛官は日々の訓練日数が異なります。
予備自衛官補の訓練
- (一般)3年以内に50日(1セット5日間)
- (技能)2年以内に10日(1セット5日間)
予備自衛官の訓練
- 5日間/年(方面総監が特に必要と認める場合6日間以上の訓練に参加可能)
即応予備自衛官の訓練
- 30日間/年(2日〜4日程度の訓練を年複数回)
予備自衛官は年5日の訓練召集に出頭するのが義務なのに対し、即応予備自衛官は年30日間の訓練召集への出頭が義務です。
また予備自衛官の場合1回の訓練を5日連続で遂行するか、2日+3日など分けることが可能となっています。
予備自衛官補の訓練は1セット5日間連続が基本です。一般公募の予備自衛官補の場合は1セット5日間×10回(50回)を3年以内に完了しなければ予備自衛官にはなれません。3年間というと割と猶予あるなと感じますが、1年間に平均17日を訓練に行くと日して必ず確保する必要があるということです。そんなに休めないという会社員の方などにはちょっと厳しいかもしれませんね。
予備自衛官と即応予備自衛官の手当てについて
予備自衛官と即応予備自衛官はそれぞれ手当てが違います。どちらも非常勤とはいえ特別国家公務員なので予備自衛官でいる限りは手当てが支給されます。それぞれの支給額は下記の通りです。
予備自衛官補の手当て
- 訓練に召集されると7,900円/日を支給
予備自衛官の手当て
- 訓練に召集されると8,100円/日を支給
- 予備自衛官手当4,000円/月を支給
即応予備自衛官の手当て
- 訓練に召集されると10,400円〜14,200円/日を支給
- 即応予備自衛官手当16,000円/月を支給
- 勤続報奨金120,000円/1任期(3年)を支給
即応予備自衛官を雇用している企業への給付金
実は即応予備自衛官の手当てには即応予備自衛官個人ではなく即応予備自衛官を雇用している企業に対して支給される雇用企業給付金というものが存在します。
即応予備自衛官の雇用企業給付金
- 1人あたり42,500円/月を即応予備自衛官を雇用している企業に支給
- 訓練召集以外の出頭時に34,000円/1日を即応予備自衛官を雇用している企業に支給
この雇用企業給付金は即応予備自衛官を雇用している企業が対象です。
年間30日間もの訓練出頭義務のほか予測が難しい災害時の召集命令にも応じる義務のある即応予備自衛官を雇用していると、即応予備自衛官が一時的に抜けている際のシフト管理や顧客への対応まで、ある程度の負担を金銭面含めて企業側は負うことになります。
これでは即応予備自衛官側も訓練で抜ける度になんだか申し訳なく思ってしまいますよね。ですので企業が負う負担の軽減及び即応予備自衛官が安心して訓練召集や有事の際の召集に出頭できるよう、この企業給付金制度が設けられています。
予備自衛官にも適用された雇用企業給付金
これまで雇用企業給付金は即応予備自衛官にしか適用されておりませんでしたが、予備自衛官にも訓練召集以外の出頭時のみ即応予備自衛官同様に1日34,000円が支給されるようになりました。
予備自衛官の雇用企業給付金
- 訓練召集以外の出頭時に34,000円/1日を予備自衛官を雇用している企業に支給
一般人が予備自衛官になるための試験
自衛官経験のない一般人が予備自衛官になるには予備自衛官補の試験を受ける必要があります。この予備自衛官補試験は一般と技能、2種類の応募枠があります。
試験は毎年4月中旬・10月中旬の2回に分けて実施されますが、1回目で採用枠が定員に達すると2回目は実施されないので注意しましょう。
予備自衛官補試験 応募資格
- 一般応募・・18歳以上34歳未満
- 技能応募・・18歳以上で国家資格等を有する者(資格により53歳未満から55歳未満)
予備自衛官技能応募の国家資格詳細は防衛省のホームページをご覧ください。
予備自衛官補 試験科目
予備自衛官補の試験科目は筆記試験・口述試験・適性検査・身体検査の4つです。筆記試験については高校受験レベルですが年々問題が難しくなっている傾向があるので高校在学レベルまでは範囲内として対策しておくことをお勧めします。
下記では筆記試験の対策や各科目のポイントを紹介していますのでぜひ参考にしてください。
予備自衛官補試験への応募方法
予備自衛官補の試験に応募するには防衛省のサイトからもできますが、各地にある地方協力本部(通称ちほん)に直接行って広報官の方に応募用紙などのセットをもらうことをお勧めします。自衛隊の広報官は受験者に対して大変親身になってサポートしてくれますよ。
例えば実際に駐屯地を見学したい!とか戦車を見てみたい!とか言うと見学の手配をしてくれたり、試験を受ける際の口述試験対策までしてくれます。
あまり普段自衛隊と接していない一般人にとって大変心強いサポーターです。試験に応募する際はぜひ地方協力本部に足を運びましょう。
予備自衛官補試験の補欠合格について
予め定員よりも多めの人数を応募している予備自衛官補の試験には補欠合格というものが存在します。試験の点数自体は合格基準を満たしており合格者リストに載ってはいるけれど、合格者の中では下の順位で訓練参加定員の関係上補欠ですよというものです。
また後日自宅に送付される合格通知書と一緒に採用に応じるための回答書(意向書)が同封されていない場合は補欠合格です。補欠合格者の場合、正式採用ではなく正式採用者の中から辞退者などが出るなどして欠員があった場合に補欠合格者の中から成績順に繰り上がります。
そして合格者の期限は合格から2年間有効とされており、補欠合格者には翌年に回答書(意向書)が届くと言われていますが定員などの関係上、全員に届くわけではありません。補欠合格者の中で何人程度が翌年に回答書(意向書)が送付されるかの詳しい数は公開されていませんので不安になった方は広報官に連絡してみましょう。
まとめ
34歳未満までなら予備自衛官補の試験が受けられる予備自衛官制度。非常勤特別国家公務員として有事の際の召集命令には出頭する義務がありますが、国の防衛に関わることができる立派な仕事ではないでしょうか。
何より訓練召集や有事の際の召集以外では自分の仕事を続けることが可能です。訓練する日数分会社をお休みできないサラリーマンなどには厳しいかもしれませんが私のようなフリーランスでスケジュールを自分で管理できる方などはぜひ予備自衛官を目指してみるのはいかがでしょうか。
また、技能応募ができるお医者さんや看護師さん、英語が堪能な方や自動車整備士さん、情報系国家資格を持つプログラマーさんやエンジニアさんも国と国民を守るためにその技術を国防そして自衛隊という道でも生かしてはみませんか?
自然災害、特に地震災害が多い我が国日本において何か起きた時にただ守られるだけではなく、自分が守りたい人は自分の手で守れるようになりたい。私はそう強く思います。
↓ 次の記事はこちら ↓